ロシアで使えるVPNおすすめ4選│2025年も繋がる
ロシアで使えるVPNを見つけるのはますます困難になっています。ロシア政府はVPNを積極的にブロックしており、検出技術の強化も行われています。また、ロシア国内ではVPNサイトもアクセスできないものが多く、国際制裁によりロシアで利用可能な支払い方法が減っているため、VPNに登録したくても料金を支払うのが難しいのです。
一方、ロシア国外に居住または旅行しているロシア人は「ロシアのコンテンツに安全にアクセスできない」という課題に直面しています。ロシアのサイト、ivi.tvなどのストリーミングサービス、Tochka Bankなどの銀行プラットフォームを利用したくても、ロシアまたは近隣国のIPアドレスでなければアクセス制限がかかってしまうのです。ロシア内外で自由にインターネットを利用するにはVPNを使うのが一番ですが、40以上のVPNプロバイダを検証した結果、どのVPNもロシアで使えるわけではないことが分かりました。
最も効果的なVPNはVPN通信を隠す難読化技術を導入しているため、検出を避けることができ、国際的なサーバーネットワークを展開しているのでロシアでFacebookやTwitter、LinkedInなどに安全にアクセスできます。すでにロシアにいる場合、この記事で紹介するVPNなら別の方法でアプリをダウンロードできます。
ロシアでおすすめのVPN — 完全分析【2025年更新】
1. ExpressVPN:高度な難読化によりロシアで最も安定して使える

2025年7月に有効 リスクなしで30日間体験
注目ポイント | DPIが検出された場合、サーバーが自動的に通信を隠すため、ブロックされにくい |
近くのサーバー | ウクライナ、ルーマニア、フィンランド、ベラルーシ、日本、韓国、カザフスタン、モンゴル |
ロシア語対応 | アプリはロシア語に対応 |
利用可能なサービス | Instagram、Facebook、X(ツイッター)、YouTube、ivi TV、ニューヨーク・タイムズ、BBC、Netflix、Amazonプライムビデオ、BBC iPlayerなど |
ExpressVPN(エクスプレスVPN)は自動難読化を導入しており、ロシアからコンテンツに安全にアクセスするのに最も頼りになります。VPN通信を通常のインターネット通信に見せかけることで、検出・ブロックするのが非常に困難になるのです。制限の厳しいネットワークで検証したところ、LinkedInとNetflixに安定して繋がりました。難読化が効果を発揮できるよう、ExpressVPNのサポートチームはプロトコルを「自動」に設定することを推奨しています。

ExpressVPNのキルスイッチ「Network Lock」がデータを漏えいから守ります。これはVPN接続が切断された場合にインターネット通信をブロックする機能で、厳しく監視されているロシアのネット環境では特に重要です。実験として、接続を妨げるためにサーバーを切り替えたところ、安全な接続が確立されるまでインターネットアクセスが無効になりました。漏えいテストも数回実行したところ、セッション中にIPアドレス、DNS、WebRTCの漏えいは一切検出されませんでした。
TrustedServerテクノロジーにより、ロシアでプライバシーが一層強化されます。すべてのサーバーインフラがRAMのみで動作していて、再起動のたびにすべてのデータが自動的に消去される仕組みです。また、ExpressVPNがノーログポリシーを守っていることは独立監査で何度も証明されていて、それを裏付ける事例もあります。本拠地は英国領ヴァージン諸島(ロシアの管轄外)で、ユーザーデータを保持したり当局と共有したりする義務はありません。
ユーザーデータの記録と保存を義務付けるヤロヴァヤ法を受けて、多くの他社VPNと同様、ExpressVPNはロシアにサーバーを設置していません。しかし、周辺国に多数のサーバーがあるので、コンテンツに安全にアクセスできます。30日間返金保証がありますから、ExpressVPNをリスクなく体験できます*。クレジットカードや暗号通貨など複数の支払い方法に対応していて、同時に最大8デバイスで使えます。 【編集者より】vpnMentorでは透明性を重視しているため、当社がExpressVPNと同じ企業グループに属していることをお伝えします。しかし、これがレビュープロセスに影響を与えることはありません。
便利な特徴
- Lightwayプロトコル。ExpressVPNが高速でパフォーマンスが安定している理由の1つは、独自のLightwayプロトコルです。モダンな暗号技術を使用しており、必要なリソースが少ないため、VPN通信を検出・制限するネットワークでも安定した接続を維持できます。
- 高度な保護。ロシアでは、悪質なサイトやトラッキングサイトが多くあります。ExpressVPNの広告・トラッカー・マルウェアブロッカーは有害サイトをブロックし、ネットでの追跡を減らしてくれるので、プライバシー保護に効果的です。
- ロシア向けのミラーサイト。ロシアで認可されていないVPNのサイトはブロックされているため、ExpressVPNはミラーサイトを提供しています。ロシア滞在中にアプリをダウンロードしたりライブチャットサポートにアクセスしたりするにはミラーサイトを利用しましょう。渡航前にミラーサイトのリンクを保存してください。リンクが変更された場合、メールで最新URLをサポートに教えてもらいましょう。
- 前方秘匿性。ロシアのプロバイダまたは当局が通信を傍受しようとした場合、1つの暗号鍵が知られたとしても前方秘匿性によって過去のセッションが保護されます。
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- 他社VPNより高め
2. Astrill VPN:ロシアの仮想サーバーに接続して、プライバシーを重視したロシアのIPアドレスを取得
注目ポイント | ロシアのサーバーで現地のIPアドレスを取得し、現地のサービスを安全に利用 |
近くのサーバー | ロシア、ウクライナ、フィンランド、ルーマニア、日本、リトアニア |
ロシア語対応 | ホームページとアプリはロシア語で利用可能 |
動作環境 | KinoPoisk、ivi TV、Wink、Amediateka、Russia 1、Match TV、Instagram、ニューヨーク・タイムズ、BBC、Netflix、ディズニープラス、HBO Maxなど |
Astrill VPN(アストリルVPN)はロシアに仮想サーバーがあり、簡単にロシアのIPアドレスを取得できます。仮想サーバーはロシアに物理的に位置しているわけではないため、現地のデータ保持法は適用されません。現地の銀行ポータル、行政サイト、VKやOdnoklassnikiなどのソーシャルメディアに安全にアクセスでき、個人情報は現地の規則にさらされないわけです。
検閲の厳しい地域のために設計されたStealthVPNプロトコルを使うと、VPN通信を通常のHTTPSデータに見せかけることができます。MTU値の変更も可能で、パケットサイズを調節するとデータが検出されにくくなります。追加で暗号化が行われますが、Astrillの検証で通信速度は安定して高速でした(27%の速度低下)。ExpressVPNほどではないものの、制限された回線環境でほかのVPNより速いことが分かりました。しかし、StealthVPNを使ってもロシアでは通信速度が遅くなることが時々あるかもしれません。

保護する通信を選ぶこともできますから、すべてのデータをVPNに経由させなくて済みます。「サイトフィルター」を活用すると、ロシアの銀行サイトや行政ポータルは通常の接続で、それ以外はVPN接続でアクセスすることが可能です。「アプリガード」は同様の処理をアプリに対して行う機能で、VPN接続が有効でない限り、特定のアプリがオンラインにならないようにします。
アプリは使いやすいですが、ほかのVPNと比べると追加機能は少なめです。また、本記事で最も高価格で、返金保証はありません。とは言え、制限付きネットワークでも接続は比較的安定しています。
便利な特徴
- 専用IPアドレス。ロシアにおいて、共有IPアドレスはフラグが立てられたりブロックされたりすることがあります。Astrillは専用IPアドレスを提供していて、ロシアのサイトやサービスにアクセスする際にセキュリティシステムやCAPTCHAに引っかかりにくいのが特徴です。
- P2P専用サーバー。Astrill VPNなら制限なくトレントができ、BitTorrent、LimeWire、uTorrentなどのクライアントが使えます。ロシアの一部のプロバイダはP2P通信を制限していますが、P2Pサーバーなら安定したダウンロード速度を維持できます。
- オニオンオーバーVPN。この機能を使うとVPNを通して.onionサイトに直接アクセスできるため、別のTorソフトを使わずに済みます。VPNの暗号化とTorの多層ルーティングを組み合わせることで匿名性が高まり、ロシア当局にアクティビティを追跡されにくくなります。
- Virtual Russian IP servers
- Reliable connections
- StealthVPN obfuscation
- High price
- Slow speeds with StealthVPN
3. Proton VPN:Secure Coreが二重暗号化を行い、ロシアで安全を強化
注目ポイント | Secure Coreが2台のサーバーにデータを転送し、二重に暗号化 |
近くのサーバー | ロシア、ウクライナ、フィンランド、ルーマニア、日本、リトアニア、韓国 |
ロシア語対応 | アプリはロシア語に対応 |
動作環境 | KinoPoisk、ivi TV、Wink、Amediateka、Russia 1、Match TV、NTV、THT、Instagram、ニューヨーク・タイムズ、BBC、Netflix、Amazonプライムビデオなど |
Proton VPN(プロトンVPN)の「Secure Core」は、プライバシーを尊重する国のセキュアサーバーに最初にデータを転送して通信を行うことでセキュリティを強化します。こうすることで、ロシアの警察やプロバイダに位置情報を追跡されにくくなるのです。Secure Coreを使うと一般サーバーより通信が遅くなりますが、プライバシーが向上し、ロシア内外で好きなサイトに安全にアクセスできるようになります。

悪質なリンクや迷惑な広告の対策として、Proton VPNは「NetShield」が含まれます。Webサイトで広告、トラッカー、マルウェアの読み込みを防ぐ高度なブロッカーです。検証でProton VPNに接続したところ、Webページの表示が速くなりました。リソースを消費する広告が減ったからです。ロシアのサイトを初めて閲覧する際に誤って偽広告をクリックしてしまい、マルウェアをダウンロードしたり個人情報が漏えいしたりする恐れがありますが、この機能はそのような状況から身を守るのに役立ちます。
他社と比べてProton VPNはサーバー台数が少ないほうですが、トレント、ストリーミング、Torのための特殊サーバーが使えます。また、ロシアの利用者のために複数の支払い方法に対応しています。普段の支払い方法が利用できない場合はUnionPayまたはビットコインで、プライバシーを重視したい場合は現金払いも可能です。30日間返金保証もあるのでリスクなく試せます。
便利な特徴
- Stealthプロトコル。Astrillと同様、Proton VPNのStealthプロトコルはロシアでVPN利用を隠してくれます。サポートチームによると、Mac、iOS、AndroidではStealthプロトコルを使うと最も安定して使えるそうです。WindowsとLinuxではOpenVPN TCPのほうが検閲の厳しい環境で接続が安定します。
- 迅速なカスタマーサポート。24時間年中無休のライブチャットはプレミアム版でしか利用できませんが、メールサポートも迅速に対応してくれます。検証でProton VPNは1~2時間程度で質問に答えてくれました。技術的なトラブルが発生したり、ロシアに渡航する前にVPNの設定で助けが必要な場合に便利です。
- セキュリティ機能が優れている
- 無料プランあり
- Smart DNSがない
- ライブチャットは24時間年中無休ではない
4. PrivateVPN:設定をカスタマイズし、ロシアで最適な接続に
注目ポイント | ロシアで安定して使えるよう、接続設定を調節できる |
近くのサーバー | ウクライナ、フィンランド、ルーマニア、韓国、日本 |
ロシア語対応 | アプリはロシア語などに対応 |
対応サービス | Instagram、Facebook、X(ツイッター)、YouTube、ニューヨーク・タイムズ、BBC、Netflix、Amazonプライムビデオ、BBC iPlayerなど |
PrivateVPN(プライベートVPN)はセキュリティ設定をカスタマイズできるため、ロシアで最適な接続を実現できます。暗号規格をAES 256ビットから128ビットに引き下げると、データの安全を守りつつ通信速度を改善できます。また、443番ポートで通信を行うこともできますから、VPN通信を通常のHTTPS通信を区別しにくくすることで検出を避けられます。さらに、1つのプロトコルがブロックされた場合、L2TPなどに切り替えることが可能です。このプロトコルは暗号化がシンプルなので制限付きネットワークに向いているのです。

アプリは使いやすくすっきりしたインターフェースで、初心者にも上級者にも向いています。距離でサーバーを並べ替えると、ゲームやストリーミングに適した低Pingのサーバーが見つかります。検証中、PrivateVPNのお気に入り機能は再接続する際に役立ちました。接続するたびにお気に入りのサーバーを探す必要はありません。
PrivateVPNはスウェーデンの企業です。スウェーデンは14アイズアライアンスに加盟していて、データ保持法が定められているため、VPNは影響を受ける可能性がありますが、PrivateVPNは厳格なノーログポリシーに従っていますから、オンラインアクティビティは保存・共有されません。どのオファーも30日間返金保証付きなので、金銭的リスクなく試せます。
便利な特徴
- ポートフォワーディング。PrivateVPNはポートフォワーディングに対応していて、トレントなど特定の場面で通信速度を向上するのに役立ちます。ロシアでは通信の種類によってプロバイダが通信速度を制限することがありますから、ポートフォワーディングが使えるのは便利です。
- P2Pファイル共有に役立つ
- とても手頃
- 制限されたネットワークで使える
- サーバーネットワークが小規模
- 通信速度が遅いことがある
【比較表】ロシア用VPNの特徴
ロシアでおすすめのVPNの違いを一目で把握できるよう、最も重要な特徴を比較表にまとめました。検証では、ロシアまたは周辺国のサーバーに接続してスピードテストを何度も実施しました。また、ロシア向けのミラーサイトがあるかどうか確認しました。ミラーサイトがあればVPNをダウンロードしたりライブサポートを受けたりできます。
【編集者より】vpnMentorでは透明性を重視しているため、当社がExpressVPNと同じ企業グループに属していることをお伝えします。しかし、これがレビュープロセスに影響を与えることはありません。
ロシア向けVPNの検証方法
この記事では、ロシアのユーザーと同じ回線環境で各VPNを検証しました。特に注目したのは、厳しく制限されたインターネット環境でどのように動作するか、検出やブロックを避けられるかどうか、高速で安定した接続を維持できるかといったポイントです。また、難読化の強度、接続の安定性、ロシアと国際的に人気のストリーミングサービスやSNSとの相性も評価しました。
また、プライバシーポリシーとデータの取り扱い、暗号強度やキルスイッチなどのセキュリティ機能も調査しました。ロシアでは多くのVPNサイトがブロックされているため、ほかの方法でアプリをダウンロードしたりカスタマーサポートに問い合わせたりできるかをチェックしました。さらに、ロシアで現在も利用可能な支払い方法(UnionPayや暗号通貨など)に対応しているか確認しました。
【クイックガイド】3ステップで簡単!ロシア用VPNの設定方法
- VPNを入手します。
ExpressVPNがおすすめです。高度な難読化を導入していてセキュリティが強いため、ロシア内外で安定して繋がります。暗号通貨での支払いにも対応しているので、制限なく簡単に登録できます。 - サーバーに接続します。
現在地に近いサーバーを選ぶと、より高速な通信速度が得られます。 - インターネットを閲覧しましょう。
ネットワークが保護されました。安全にウェブを閲覧できます。
ロシアで使える可能性があるほかのVPN
検証では、一流VPNのサポートに問い合わせました。上で紹介したVPNはロシアで安定して使えることが知られていますが、下記のサービスは使える保証はありません。
また、下記のVPNを使うとロシア国外からロシアのIPアドレスを取得し、銀行やストリーミングサービス、行政ポータルなど現地のサービスに安全にアクセスできる可能性があります。しかし、安定した接続を確立するには手動設定を行うかサポートに助けてもらう必要があるかもしれません。幸い、下記のVPNは返金保証がありますから、どうしても使えない場合は返金してもらえます。
VPN | ロシアで役立つ機能 | サポートからのアドバイス |
CyberGhost | APKダウンロード、NoSpyサーバーで接続のプライバシーを強化 | 返金保証で体験し、トラブルが発生した場合はサポートに問い合わせる |
Private Internet Access | APKダウンロード、マルチホップ(Shadowsocksプロキシ+VPN)で難読化 | 返金保証で体験し、トラブルが発生した場合はサポートに問い合わせる |
NordVPN | APKダウンロード、難読化サーバー、オニオンオーバーVPNサーバー(どのブラウザでもダークウェブ経由でNordVPNのサイトにアクセス) | トラブルが発生した場合はサポートに問い合わせる |
Surfshark | カモフラージュモード(難読化)、NoBordersモード(制限を突破するのに最適なサーバーを表示) | WireGuardで手動接続してみる。特殊なロケーションファイルを使う(リンクはサポートから取得)。すべてのロケーションを試す |
IPVanish | OpenVPN Scramble(難読化) | IKEv2でVPN接続を手動設定する(サポートが提供するリンクを通して) |
hide.me | OpenVPN TLS-Crypt(難読化) | サポートに問い合わせて、ロシアで使えるよう設計された難読化「カスタムサーバー」の利用を希望する(有料版のみ) |
VyprVPN | Chameleonプロトコル(難読化) | 返金保証で体験し、トラブルが発生した場合はサポートに問い合わせる |
【編集者より】当社は読者の皆さまとの関係を大切にしており、信頼していただけるよう透明性と誠実さを常に心がけています。当社は、当サイトでレビューしている業界最先端の一部の製品(Intego、CyberGhost、ExpressVPN、Private Internet Access)と同じ企業グループに属しています。しかし、厳しい検証方法に従っていますので、これがレビュープロセスに影響を与えることはありません。
ロシアにおけるインターネット検閲
ロシアのインターネット環境はかつて比較的オープンでしたが、現在は取り締まりが厳しくなっています。ここ数年でロシア政府は厳しい法律を制定し、強引な措置を導入してオンラインアクティビティの取り締まりを強化しているのです。
主な法律と措置
- ヤロヴァヤ法(2016年)。通信会社やプロバイダは、ユーザーのすべての通話、メッセージ、インターネット通信を6か月間、接続ログを3年間保持することが義務付けられています。これにより、ロシア政府は人々のすべてのやり取りやオンラインアクティビティにアクセスできるのです。
- 主権インターネット法(2019年)。危機的状況が発生した場合、ロシア政府は国外とのインターネット通信を完全に遮断することができます。また、プロバイダはディープパケットインスペクション(DPI)を使用することが義務付けられていて、これによって当局は特定のサイトやアプリ、コンテンツをリアルタイムで監視・ブロックすることができます。
- VPNと匿名化ツールの禁止(2017年)。インターネットフィルタリングを回避できるようにするソフトやサイトが禁止されています。
- ロスコムナゾールによる取り締まり。ロシアのメディア規制当局は、197以上のVPNサービスと数百件の関連サイトをブロックしています。VPNプロバイダのサイトもブロックされているものが多く、アプリをダウンロードするのは困難です。
- VPNプロバイダによるロシアサーバーの撤去。厳しいデータ保持法と政府の圧力を受けて、多くのVPN企業はユーザーデータの引き渡し義務を避けるためにロシアからサーバーを完全に撤去しています。
- 検閲予算の増額。政府はインターネット監視システムの拡大に6億6000万ドルの予算を充てています。これによってオンラインコンテンツとユーザーアクティビティの取り締まりがさらに強化されます。
ロシアでブロックされている人気サイト
特に紛争が開始してから、ロシアではインターネット検閲が大幅に強化されています。現在、VPNを使わずにはアクセスできない有名プラットフォームは多数あります。
カテゴリ | ブロックされているサービス |
ソーシャルメディア | Facebook、Instagram、Twitter(X)、LinkedIn、TikTok(一部) |
メッセージ・コミュニケーション | Discord、Proton Mail、StartMail、Telegram |
ニュース・情報 | BBCニュース、NPR、ニューヨーク・タイムズ、Meduza、ノーヴァヤ・ガゼータ |
その他のプラットフォーム | YouTube(一部)、Chess.com、GitHub |
現状と今後の見通し
現在、ロシアではインターネットが厳しくモニタリングされており、コンテンツのアクセス制限と監視措置が広く実施されています。政府は検閲インフラに多額の投資を行っていることから、デジタル空間の取り締まりをさらに強化する意思がうかがえます。こうした動きを受けて、言論の自由が奪われるのではないか、偏りのない情報にアクセスできなくなるのではないか、ロシア国民が国際社会からさらに孤立するのではないかという懸念が浮上しています。
VPNの法的な立場
ロシアにおいてVPNの利用は違法ではないものの、禁止されたコンテンツにVPNを使ってアクセスするのは違法です。ロシア政府はブロックリストに登録されたサイトへのアクセスを制限するようVPNプロバイダに義務付けており、これに従わないVPNは禁止されています。前述の通り、すでに多数のVPNと関連サイトがブロックされていますから、ロシア国内でVPNをダウンロードしたり使用したりするのは困難です。
ロシア政府が取り締まるのは基本的にVPNプロバイダですが、ユーザーは必ずしも安全とは限りません。2022年に、モスクワの男性が戦争を批判する投稿にいいね!したところ、5,000ルーブルの罰金が科された事例があります。VPNを使ったことに対する罰金ではなかったものの、オンラインアクティビティがいかに厳しく監視されているかがうかがえます。ロシアにいる場合、VPNを使って制限されたサイトにアクセスしたり法律に反するコンテンツを投稿したりすると罰せられる可能性がありますので十分注意してください。
ロシアでVPNが使えない!対処法はこちら
ロシア当局はVPNサービスを積極的にブロックしていますから、接続トラブルは珍しくありません。最も安定したVPNさえ時々繋がらなくなります。接続できない場合、VPNが完全にブロックされたと考える前に、下記のトラブルシューティング方法をお試しください。
- 別のプロトコルに切り替える。制限された回線環境に適したプロトコルとそうでないものがあります。VPNの設定で、OpenVPN TCP、OpenVPN UDP、WireGuard、IKEv2を1つひとつ試してみてください。また、このような環境で動作するよう設計されたステルスプロトコルを提供しているVPNプロバイダもあります。
- 別のサーバーに接続してみる。ロシア当局はVPNのIPアドレスをブロックしますから、ロシアで使えないサーバーもあるかもしれません。VPNが難読化サーバーを提供している場合、最初にそのサーバーをお試しください。また、検閲の厳しい地域でおすすめのサーバーを公表しているプロバイダもありますから、ホームページをチェックするか、カスタマーサポートに教えてもらいましょう。
- VPNを手動で設定する。アプリで繋がらない場合、OpenVPNまたはWireGuardの設定ファイルを使ってVPNを手動設定しましょう。多くのVPNはルーターや各種デバイスの手動設定ガイドを提供しています。
- 別のポートを使う。ポート変更が可能なVPNを使っている場合、他のポートに切り替えると制限を回避できることがあります。試したいのは443番ポートです。通常のHTTPS通信とよく似ているので検出されにくい傾向があります。
- ファイアウォールまたはウイルス対策ソフトを無効にする。これらが原因でVPN接続が妨げられることがあります。
- キャッシュを削除し、デバイスを再起動する。DNSレコードや古いネットワーク設定のキャッシュが接続トラブルを引き起こすことがあります。VPNアプリを再起動し、キャッシュを削除したうえで、デバイスを再起動してください。
- VPNアプリを更新する。ロシア当局はブロック技術を絶えず更新しています。最新版VPNアプリを使っているかどうか確認してください。最新版には新たな難読化技術や回避策が導入されていることがあるからです。
- デバイスまたはネットワークを切り替える。パソコンよりモバイルデバイスのほうがVPN接続が安定していることがあります。4G/5Gでは特にそうです。ブロードバンドネットワークはフィルタリングが厳しい傾向があり、モバイルネットワークのほうが繋がりやすいのです。WiFiでVPNに繋がらない場合、モバイルデータ通信に切り替えるか、ホットスポットを有効にしてみてください。
上記のトラブルシューティングを行ってもVPNが使えない場合、他のツールを試す手もあります。個人用VPSベースのVPNを設定し、検出されにくいプライベートVPN接続を作成する人もいます(VPS:仮想プライベートサーバー)。ShadowsocksやSOCKS5プロキシも使えますが、VPNと違って暗号化は行われません。Torでブリッジリレーを使う方法もありますが、通信が遅く、すべてのネットワークでうまくいくとは限りません。
ロシア用VPNを使うことに関するよくある質問
ロシアでVPNはダウンロードできますか?
困難ですが、不可能ではありません。ロシアでは多くのVPNサイトがブロックされているため、アプリを直接ダウンロードするのは難しいのです。トラブルを避けるには入国前にVPNをインストールしておくのが賢明です。すでにロシアにいる場合、VPNを入手する方法は現在もいくつかあります。
ミラーサイトを提供しているVPNなら、ロシア国内からアプリをダウンロードできます。また、AndroidデバイスにAPKファイルを手動でインストールし、アプリをサイドロードする手もあります。対応VPNでは、OpenVPNやWireGuardの設定ファイルを使うことも可能です。また、Torまたはプロキシサービスを使うとVPNのサイトにアクセスできることもあります。
VPNを使うとロシアからInstagramやFacebookなどのソーシャルメディアにアクセスできますか?
信頼できるVPNを使うと、どこからでも安全にInstagramやFacebookなどのソーシャルメディアにアクセスできます。VPNはIPアドレスを隠し、通信を暗号化するからです。検証では、各VPNとソーシャルメディアとの相性を調べ、問題なくアカウントにアクセスできたものを本記事で紹介しました。
ただし、ロシアではInstagramやFacebookなどのソーシャルメディアがブロックされていることをお忘れなく。そのため、現地でこれらのソーシャルメディアを利用すると法的に罰せられる可能性があります。ロシアでVPNを使う場合は自己責任でお願いいたします。VPNを使って法律を違反したり制限されたコンテンツに違法にアクセスしたりするのは絶対にいけません。
ロシアサーバーがあるVPNは?
AstrillやProton VPNなど、ロシアにサーバーを設置している安全なVPNはいくつかあり、そのようなサービスを利用するとロシアのIPアドレスを取得できます。現在、有名VPNの多くはロシア国内に物理サーバーを設置していません。ロシアサーバーを提供している場合、通常は仮想サーバーです。ロシアに物理サーバーを置かずにロシアのIPアドレスを提供しているのです。
ロシアの法律に基づき、メディア規制当局「ロスコムナゾール」は、物理サーバーを構えているVPNに対してユーザーデータを最大3年間保持することを義務付けています。この圧力を受けて、VPN会社はサーバーの配置を変更したわけです。
無料VPNはロシアで使えますか?
使えますが、おすすめしません。ロシアでは政府の規制が厳しいため、大半の無料VPNは使えないのです。返金保証があり難読化を提供している格安なプレミアムVPNを使ったほうが良いでしょう。
ロシア当局はディープパケットインスペクション(DPI)を用いてVPN通信を検出・ブロックしていますが、一般的に無料VPNはそのような制限に対抗するのに必要な難読化技術を導入していません。
ロシアで繋がる無料VPNが見つかったとしても、かなり制限されているはずです。ほとんどの場合、無料サーバーはサーバーネットワークが小規模で、通信が遅く、データ上限が低いのです。ユーザーデータを記録して販売する無料VPNもあります。さらに、多くの無料VPNはロシア周辺国にサーバーを設置していないため、通信が遅かったり接続が不安定だったりします。
ロシアでおすすめのVPNを入手しよう
ロシア政府はインターネットを厳しく制限・監視しています。人気SNS、国際的なニュースサイトなど、ブロックされているサイトは数千個あり、VPNもブロックされているものがほとんどなので、ロシアで使えるものを見つけるのは簡単なことではありません。
政府の監視により、どのVPNもロシアで100%確実に繋がるとは保証できませんが、ロシアでプライバシーを保護するにはExpressVPNが一番おすすめです。105か国に3,000台のサーバーがあり、全サーバーに自動難読化を導入しているため、ロシアで効果的に動作します。さらに、広告ブロッカーが組み込まれていて、セキュリティ対策もしっかりしているので、ネット上で個人情報とアクティビティを守れます。
あなたのオンラインアクティビティは訪問先のサイトに公開されることがあります
あなたのIPアドレス:
3.84.128.119
あなたの現在地:
US, Virginia, Ashburn
インターネットプロバイダ:
これらの情報は、広告、アナリティクス、好みの把握などのために使用される可能性があります。
IPアドレスからあなたの位置情報、個人情報、閲覧習慣などを調べることができるため、訪問先のWebサイトからデータを守るにはIPアドレスを隠すのが非常に効果的です。仮想プライベートネットワーク(VPN)を使うと、安全なサーバーを経由してインターネット通信を行うことで実際のIPアドレスが隠され、他の場所からネットを閲覧しているように見せかけることができます。また、VPNは通信を暗号化することで、監視や不正アクセスからデータの安全を確保します。
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